出会い
今日の朝の事。
子どもたちを学校まで送る途中、家の近くの交差点で信号待ちをしている時にあらわれた
かさをささないおんなのこ
その女の子は、ポツポツ雨が降っているのに傘を差さずに歩いてきた。
その姿をみた私は思わず
『あれ、傘持っているのにささないの?濡れちゃうよ。』
っと声をかける。
女の子は、
「うん、だってこわれたらイヤなんだもん。」
と、答えた。
私は笑いながら、
『大丈夫だよ、普通にさしてるだけなら壊れないよ。』
と、女の子に話した。
すると女の子は
「は?・・・風が強く吹けばこわれますけど。」
っと、答えた。
私は『まぁ、強い風が吹けばねー。笑』
と、相槌をうちつつ(くち悪いなー笑)と思いながら、
自分の持っていた傘をその子の頭上にさしながら歩き始めた。
登校道中
女の子は道中マイペースで
前から歩いてきたおじさんと、すれ違い終わるくらいの微妙なタイミングに
「こんにちはー!!」
と、突然大きな声であいさつしたり、
「わたしランドセルの防犯ブザー教室で鳴らしたことないんだー。」
『そうなんだー』
「でも、一回怖いことがあってね、普通に歩いてただけなのに車が横に来てクラクションを鳴らしてきたんだよ。」
『それは怖いねー。あぶない、怖いと思った時は鳴らしていいんだよー』
などと、おしゃべりしながら歩いていた。
やっぱりこわれたらイヤだ
小学校の近くまできたところで、いつも朝一緒になるママさんとすれ違いざまに
【〇〇ちゃん傘さしてもらってるんだ良かったねー!歩くと自動でついてくる傘いいねー。】
と声をかけられると
女の子は
「だってこわれたらイヤなんだもん。」
っとボソッとつぶやいた。
私は(そんなに傘が好きなんだなー。)と思いながら、口をひらいた。
『そうか、そんなにお気に入りなんだ。たしかに、かわいい傘だからこわれたらイヤだよな。』
「うん、家にお気に入りのカサいっぱいあるんだー、この(持ち手のところの)シールはお母さんのなんだよー。」
『おぉ、そうなんだ、このシールもかわいいね。でも大丈夫だよ、乱暴に扱わなければそんなすぐに壊れないから。』
「でも、雨がカサにあたりつづけるとカサに穴があいちゃうでしょ?」
『うーん、少なくとも小学校通っている間は穴あかないから平気だよ。』
「穴あいちゃうよー。」
結局女の子は小学校につくまで頑なに傘をささなかった。
かさをささないおんなのこ
かさをささないおんなのこは、次の雨の日も傘を片手に、ささずにやってくるのだろう。
そして、私は次もまた自動傘マシーンになり自身は濡れてしまうのだろうなーと思った。